2024年2月23日金曜日

WordCamp Kansai 2024 コントリビューターデイ(1日目)に参加して #wckansai #WordCamp

2024年2月23日、 WordCamp Osaka 2019 以来、久しぶりの現地での WordCamp 参加となります。今回は実行委員ではなく、一般参加という形での参加です。

今回も、コントリビューターデイとセッションデイの2日参加しています。
本ブログはそのうち1日目になる、コントリビューターデイに関する備忘録をまとめてました。
2日目については下記で公開しました。

生田神社



子供が大学受験真っ只中ということで、会場である三ノ宮コンベンションセンターとは三ノ宮駅からみて逆方向ですが、お祈りしてきました。


三ノ宮駅周辺。久しぶりに来た気がします。

会場



会場は、三ノ宮コンベンションセンターです。少し早く来てしまったので1Fで少し待機。

コントリビューター開始!



専門店からの人も含めた紅茶サービスがある!


L'ATERIER DISCIPLE DU BONHEUR から、これは本格的です!


Polyglots(翻訳)チームに参加



まずメンターより翻訳についての注意事項や参考情報の紹介がありました。
基本的には、「翻訳スタイルガイド」および「用語集」を参考にすることになります。
機械翻訳、AI 翻訳を利用するという話があった。

また実際に WordPress にインストールして動作を確認してどのような翻訳が適切かも考える必要があります。ship という単語について「配送」なのか「送料」なのか、単語だけではわからないことがあったりするということです。


また翻訳に関してのツールの紹介がありました。
  • 日本語翻訳向け WPGP Tools の設定
    • 日本語への翻訳の場合には、インストールだけではだめで、実際に翻訳できる画面までいって、Translating WordPress タイトルの右側にある「WPGPT Settings」を開いて、3つの設定をしておく必要があるということ。実際に使ってみるとかなり便利だということがわかりました。
  • 強制翻訳アップデート(WordPress プラグイン)
    • この詳細については開発者である  Mayo Moriyama 氏が翻訳チームにいたので、聞くことができました。承認されていない場合でも、強制的に未承認の翻訳を適用させて反映されるプラグイン。これで 90 %を超えていない翻訳のものでも自前の WordPress に反映させることができるので翻訳が捗りそう。
  • Performant Translations プラグイン(WordPress 6.5 でコアに取り込まれるということ)
    • 翻訳のロード時間を短縮してサイトを高速化するプラグインということ。翻訳のチームリーダーより紹介を受けた。
こうしたツールは便利そうですね!これを聞けるだけでも参加した意味がありました!

さて筆者はお世話になっている Simple History というプラグインの翻訳を考えてきました。ただ600以上あることもあり、今回は、筆者自身が開発して公開しているプラグイン以外で、PTE権限のある翻訳について Untranslated があるかどうか調べて、あれば対応しようと思いました。最初の1つについてはどのように翻訳していったかの紹介をします。
筆者が翻訳しているもののリストは、自身のブログで公開しています。
さて筆者の翻訳をするための環境。用語などをみるには、やはりモニタが2つないと辛いですよね!


Login for Google Apps


筆者がもっともお世話になっている WordPress のログインを Google 認証(Googleアカウントによる認証)をするプラグイン。これによって、たとえば業者にテーマを設定してもらうときに、パスワードを業者に発行して教える必要がなくなって助かっています。



翻訳前は上記の状態。まずは Stable (latest release) の3つを訳していきます。
なお、latest release が本来の最新版への翻訳。Development (trunk) が開発版になります。基本的には最新版のみでよいです。同じ翻訳があるなら、自動的に Developmentのほうにも反映されます。


こちらについては、どこに記載されているかコードの場所とその情報へのリンクがあります。

実際には上記の部分の翻訳です。ではこれが実際にどこに表示されているのでしょうか。コードがある程度読めるなら、プラグイン設定のどこかかなぁと言うことはわかります。


そして WordPress 管理画面の 設定 > Login for Google Apps をみると、そのタイトル部分に見つかりました。ここの日本語翻訳をするのですね。用語集に setup はないこともあり
「Login for Google Apps セットアップ」で良さそうです。
*Login for Google Apps settings もあり、こちらの setting = 設定 と区別しておいて問題なさそうです。


筆者は、このプラグイン日本語翻訳のたいして PTE権限をもっているのでそのまま保存・反映させることができます。下記のように 100% の翻訳となりました。


次に、READMEに関する翻訳をいくつかやってみます。
下記のように、 Priority: high を優先してやるのが良いだろうと思います。ここはタイトルと説明文(プラグイン)の部分のためです。プラグインタイトルは、ルールで翻訳しないとなっているのでそのままです。



WP Mail SMTP – SMTP7


WordPress からのメール通知について、正しいメールサーバーから送信できるようにするプラグイン。こちらもよく使っています。最近では SPFなどを設定されているケースもあり、WordPress をインストールしているサーバーと、WordPress システム通知などの差出人として使うメールアドレスを送受信するサーバーが別の場合、なりすましを疑われてしまいます。そのため、WordPress から送信されるメールについて、指定したメールサーバーから送信できるようにします。


おっと、こちらは合計3つですね!



Contact Form DB


Contact Form 7 プラグインが保存するデータを表示・編集するプラグイン。すでに公式リポジトリからは削除(開発者による)されていて、翻訳のみ残っています。そのためスルー。
 


Login Security Solution


以前利用していたセキュリティ対策系プラグイン。もう8年以上更新されていないことと、基本的な翻訳はできているのでこれまたスルー。


Logbook


WP-CLI のコミッターになられたこともある有名な Takayuki Miyauchi 氏が公開されているプラグイン。すでに6年以上更新されていないので、以前はお世話になっていましたが現在は使っていない状況(現在は Simple History プラグインを使っている)。こちらもすべて翻訳済みのためスルー。


WP DBManager


WordPress のデータベースの最適化やバックアップをしてくれるプラグイン。非常に重宝していて、どのような動きをしているのか知りたいこともあって翻訳していました。こちらも基本的なところは翻訳済みのためスルー。


これで一通り、 PTE権限をもっているプラグインはチェックできました。
次にお世話になっているプラグインをみていきます。

BackWPUP


WordPress のデータベースとフォルダやファイルすべてのバックアップを定期的にとることができるプラグイン。WP-CLIによるコマンドによる実行も可能なため、Linuxサーバーなどで cron と組み合わせて任意のタイミングでバックアップを取ることができるので重宝しています。


上記を見るとちょうどいい感じの未翻訳数ですね!

Stable Readme (latest release)において、下記を訳す場合 "Don't backup thumbnails from the site's upload folder" option についてどう訳すかは慎重になる必要あり。というのは本体の Stable (latest release) の訳と一致させる必要があるため 


下記のように誰かが訳していたので、これに合わせる。


オプションは固有的なものになるので " で括るとして下記のような感じか。



あとはずっとモクモクと翻訳を続けました。


このあたりが限界のため、ここで WordSlack の #translate のほうに承認依頼をしました。


ということで本日はこれぐらいですね。

その後、すぐにリクエストした翻訳提案を承認頂けました。


その結果、下記のように BackWPUPだけで 92件の翻訳ができたのでした。


また翻訳チームの成果報告を筆者が発表することに!

このブログまとめを見ながら、下記の三点を報告しました。
  1. メンター(翻訳チーム)から翻訳に関するガイドラインや用語集など注意するべき点があることの説明
  2. 翻訳に有用なツールがあることの紹介
  3. 筆者が何を翻訳したのか、その結果の報告
なお、そのため本ブログを早めにまとめて(この成果報告の数秒前)、 Xにて #wckansai をハッシュタグにいれて公開。

WordCamp Kansai 2024のイベントが終わって(BackWPUPの翻訳続き)


2024年2月25日、少し時間ができたので気になっていた翻訳の続きをしました。
そこで少し翻訳に迷ったところを紹介します。本体部分の翻訳は PHP コードをチェックすることで大体の動きはわかります。しかしながら、 README の場合には、特定バージョンをリリースすることで問題を修正、機能追加などなにか処理をしたことが要約して書かれています。そうした場合、実際にその機能がどのように表示されているか、日本語にして意味が通じかを考える必要があるので難しいですね。

あと 56 あり、イベントの疲れなどもあるので少しずつ翻訳していこうかなと思います。

1. 実際に存在するオプションがあるなら、その表示名に合わせる


こちらについては、 phone home client とはどのように訳すのかということを迷いました。これについてはネットで検索すると、下記のブログの中で「Phone Home Client を有効化」という設定があることが見て取れました。となると "Phone Home Client" の有効あるいは無効化に関するオプションが追加されたのだなとわかりました。

【サイトヘルス勧告】予約したイベントが遅れています

2. これが PHP 側の警告やエラーメッセージの場合には(翻訳されない)、その部分は英文ののままとする



下記の WordPress フォーラムのやり取りで、PHP に関する警告が出ることに対して、BackWPUP 開発者が修正バージョンをリリースしたというやり取りをしています。となると、この警告については翻訳してはいけないということになります。

https://wordpress.org/support/topic/non-static-method-backwpup_adminadmin_css-should-not-be-called-statically-on/

3. 直訳すると意味がわからない文章



これを DeepL 翻訳すると「追加(pro): アーカイブの暗号化に一意のIVを含める」となります。ここで unique IV ってなに?それを含めるって?と疑問に思うかもしれません。README の文章は得てして機能について分かっている開発者が要約して表示していることもあり、それをみた人が意味を理解できない場合もあります。

今回については、BaclWPUP の開発側のブログにおいて、この機能について紹介していました。下記のように、暗号化する際に一意の IV(Intialization Vendor) を生成してこれを含めることでセキュリティを強化したということですね。つまり IVは固有名詞ということですのでそのまま使いつつ、「生成」して「含める」という「生成」を少し置きがうことで全体の意味がわかりやすくなるかとおもって追加しています。

https://backwpup.com/backwpup-release-4-0-0-destinations-support-enhancement/
== 一部抜粋
Now a unique IV is generated with each encryption, making the process more secure and the data encryption safer and stronger to eavesdropping and decryption attacks.
===

そして、毎日少しずつ翻訳をしてついに 2024年2月27日 深夜に、すべての翻訳が完了しました。WordSlack の #translate で承認依頼を出したので、あとは承認されれば完了ということになります!


そして風呂入って上がってきたら、承認されていました!


2024年2月23日 @kimipooh
2024年2月25日 加筆
2024年2月27日 加筆

0 件のコメント:

コメントを投稿